株式会社Shirofune 支援事例フェーズ0:LEAPTとの出会いからマーケティング体制の構築まで
株式会社Shirofune 支援事例フェーズ0:LEAPTとの出会いからマーケティング体制の構築まで

記事概要:株式会社Shirofuneは、10年以上にわたって広告運用自動化ツールを提供し、日本国内でシェア90%を獲得するまでに成長。継続的に顧客の声を反映したプロダクト開発を推進する中で、国内外におけるプロダクト認知度向上のためのマーケティング施策を模索していた。さらに、社内にマーケティング責任者が不在という状況から、Shirofuneの理念に共感するプロフェッショナル人材を迎え入れ、独自のマーケティング組織体制を確立することが急務となっていた。 配置したマーケティング人材 4 名 再設計したペルソナ 3 つ 戸栗:それではまず御社の事業内容について教えてください。 菊池さん:弊社は、広告運用自動化ツール「Shirofune(シロフネ)」を開発・提供しているSaaS企業です。Shirofuneは、広告運用のエキスパートが直接設計・開発することで、「熟練の職人の技を再現する」をコンセプトにアルゴリズムを開発・提供しています。私は新卒からずっと広告業界にいますが、成果を追求する広告運用者たちは、夜を徹して調整を続けており、1%の成果向上にしのぎを削っています。日本の広告運用者の職人芸とも呼べる細やかな運用がソフトウェアで再現されれば、世界市場で大きな価値を提供できるはずだという仮説を立て、広告運用自動化ツールであるShirofuneの開発に取り組んできました。 (株式会社Shirofune) また、広告運用のオートメーション領域は、GoogleやMetaなど巨大な広告プラットフォームを保有する海外IT企業が最先端のテクノロジーを駆使して日々進化しており、3rdPartyツールが入り込む余地はほとんどないと言っていい領域になります。。しかし、そんな不可能と思われる領域であろうと、日本人の性質を活かした革新的なアルゴリズム・ソフトウェアを練り上げ、世界に広めたいというのがShirofuneの原点としてあります。ソフトウェアの領域であっても日本的な過大なほど細やかな改善やチューニングを再現できれば、世界に対して競争力のある産業を日本から育てられると強く思い、Shirofuneという会社を創業する大きなモチベーションとなったのです。「アルゴリズムのMade In Japanを創る」というビジョンのもと、以来10年、ずっと広告の自動化アルゴリズムを高めることに専念してきた、という形です。 戸栗:御社はマーケターを正社員として採用せず、外部の支援会社やフリーランスの協力を得て各種マーケティング施策を推進されてきました。まず、自社内でマーケターを正社員採用されない理由や背景について、お聞かせいただけますでしょうか。 菊池さん:マーケターを正社員として雇用していない理由は、そもそもShirofuneが「雇用」という仕組みについて、人が持てる能力や意思を最大限発揮するための仕組みになっていないのではないかと思っているところが原点にあります。会社の意向に沿って与えられた仕事内容に、定められた時間を費やすことで画一的な報酬を得る」という形では、真に意思と能力を持った人は十分に力を発揮できないのではという懸念を持っています。 むしろその逆の、「自分がベストだと思う戦略に沿って前例や慣習にとらわれずに業務を遂行し、それがうまくいけば結果に応じて大きな報酬が得られる」といった形が真に力のある人にとって必要な舞台セッティングなのではないかと思います。 また、本当に力のある人は既に自分で起業していたりしますので、世界を穫るという目的のもと、ある領域に関して本当に力のある人と仕事をするには、必然的に「正社員」ではなくなるという面がある気がします。そういった考えを突き詰めていった結果、チームには私を含めて一切の階層構造がない形となり、外部パートナーにも特に社内・社外の区別なく自由と責任の原則が適用されています。 また、マーケティングには「各業界の成功パターンを踏まえた一般解」というよりも「現在の市場環境に対して現在の自社の状況を踏まえた特殊解」を打ち出すドメイン理解とセンスが必要だと考えています。単なる型通りの施策ではなく、プロダクトと市場に合わせた創造的なアプローチができるパートナーを探していました。そしてもっと言いますと弊社がUSを中心にグローバル展開がどんどん進んでいたので、日本に閉じず、英語が堪能で海外のマーケティングについても精通し、グローバルでのマーケティング体制の構築ができる方である必要がありました。かなりハードルが高いですよね。 戸栗:菊池さんの思いには深く共感します。私も企業で勤めたのち、自身で会社を経営していますが、関わる人たちの可能性を最大限に引き出すにはどうすれば良いかは常に考えますし、意識している部分です。一般的な企業でよくあるのが、目的を達成するための手段として組織やチームが存在するはずが、組織そのものが目的として存在してしまうことです。そのため組織が目的を見失い、個々の個性や可能性を引き出せず、やらされの仕事をしてしまうことです。最大限の成果を生み出すためには、組織としての本来の目的を常に明確に意識しながら、個々人が持つ個性や可能性に目を向けて、活かしていくことが非常に重要です。その中で、弊社では「成長型思考」を重視しており、関わっていただく業務委託の方やフリーランスはこの思考で働いている方が多いと思いますし、私自身も日々意識している部分になります。この考え方を意識すれば、自分の可能性を最大限に発揮することに繋がると思っています。 (LEAPT社で重視している「成長型思考」) 菊池さん:創業当初からマーケティングに関しては外部の会社さんと協業してきました。。もともと一緒に取り組ませていただいていたコンサルティング企業とマーケティングの形を作り上げてきたという経緯があります。 ただ、先ほどお話ししたマーケティングの一般化という部分に関して言うと、どうしても特殊性が伴います。企業ごとに異なる文脈やマーケットの状況が存在しますので、外部の会社さんですと、やはり我々と全く同じ視点で業界を見られているわけではありません。もちろんそれは担当の方や会社の性質にもよると思いますが、どうしても組織化・体系化されたナレッジがベースになってしまい…..。 そういうことを踏まえると、一般的な活動について、「通常はこうするよね」ということの積み上げに関しては非常に上手く一緒にやれるんですが、Shirofuneだからこそのオリジナリティや、特に長期的な視点で大きなアドバンテージとなるような何かを一緒に作り出すというところまでは、なかなか実現できていなかったという課題がありました。 そういう状況の中で、2024年初旬にそのパートナー企業さんとの契約が終わり、マーケティング施策は少し宙に浮いている感じがありました。今までやってきた活動を継続するという意味では、我々なりに頑張ってできるところを進めてはいるのですが、やはりそこはどうしても兼務にはなってしまいますし、海外・国内・各顧客セグメントを統合・俯瞰した何か卓越したものがあるかというと、そういうわけでもない、という課題が以前からずっとありました。 戸栗:コンサル企業によくあるケースですが、大規模企業ほど柔軟性を欠く場面は多いと感じています。社内でコンサルの型みたいなものが確立されているので、確立されたノウハウや型を全ての企業に当てはめていくことも多々あるかと……。 Shirofuneさんの支援をさせていただくことになったきっかけは、2年ほど前に菊池さんが直接私に連絡をくれたことかと記憶しています。弊社や私のことをどのように知ったのかを教えていただけますか。 菊池さん:連絡したきっかけはたまたま見かけた戸栗さんのインタビュー記事です。「宇宙へ行く」という大胆なワードがタイトルに入っていたこともあり、「これは普通じゃないぞ」と直感しました(笑)その記事から戸栗さんという人に興味を持ったのと、一緒に特殊解をグローバルでつくれるマーケティングのプロフェッショナルを探していたタイミングということもあり、夢中になって記事を読み進めました(笑) (僕は宇宙へ行くためにマーケティングをしている。LEAPT戸栗 頌平) 戸栗さんは米国SaaS企業HubSpotでマーケティングを経験し、現在はインバウンドマーケティングやマーケティング内製化支援を得意とする会社を起業されて活躍されています。英語力はもちろん、グローバルかつ先進的なマーケティング手法に精通している、この時点でこれは自分たちが探していた人材かもしれないと考え、さっそく戸栗さんに問い合わせをさせていただきました。 戸栗:そうなんです。僕は「宇宙に行きたい」と言ってるような、ちょっと変わった人なんです(笑)その記事を見て支援の依頼をくださる方ってほとんどいないんですよ。「正気か?」と普通は思うはずですから……(笑)よほど何か特別な理由があって声をかけてきてくれたんだろうな、というのは、実際にお声がけいただいた時点で感じていました。 ただ、その当時なぜ「ぜひ仕事を一緒に」という話にならなかったかというと、その時に菊池さんともお話しをしましたが、弊社のスタンスとして、「マーケティングの内製化を前提としている」という話をしていました。Shirofuneの会社の中に、そもそもマーケティング担当者がいない状況でしたので、マーケティングの内製化自体がそもそもできないわけです。LEAPTとしても、会社のあり方として内製化が前提なのに、それができない状況だと、そもそもお客様としてお受けできないという状況だったんですね。そのため、ご連絡いただいても、当初はこちらからお断りをさせていただきました。そのスタンスは今でも基本的に変わっていません。では、なぜ御社の支援させていただくことになったかというと、先ほど菊池さんの起業の理由や組織のあり方に関する違和感に共感をしたからです。 さらに、実は旅行でメルボルンに滞在中、菊池さんが仕事でメルボルンにいて一緒に食事をするなどご縁があったり、当時の家が数十メートルしか離れていないという偶然もあって……(笑)。色々なタイミングやご縁が重なって、今ご一緒できています。 菊池さん:実際に話してみると、組織観や働き方への考え方など、通じるものを感じました。戸栗さんは一見クールな印象ですが、実は非常に熱い思いをお持ちの方だと気付いたんです。また、問い合わせをしてから支援していただくまで2年ほど空きましたが、その間に定期的にコミュニケーションを取り合ったことで、お互いを深く理解できた。今の信頼関係は、その積み重ねの上にあると思います。 戸栗:支援を開始してすぐ私が取り組んだのは、Shirofuneに最適なマーケティング人材の確保と、現状を正確に把握することでした。菊池さんが正社員採用に重きをおかない方針を持っているのは知っていましたが、支援開始時に感じたのが、社内は想像以上に役割が点在しているということです。御社には既に、マーケティングやコンテンツ作成を部分的に手伝う外部フリーランスやパートナーが何名か存在していました。しかし、その協力関係はとても離れており点と点がバラバラに動いている状態。将来的な展望を反映したマーケティング施策が実行できていなかったというのが私の所感でした。こうした状況を踏まえ、弊社主導でShirofuneに必要なマーケティングチームを編成し、組織的に動かしていかなければ成果が出にくいと判断しました。マーケティングは一人ではできないですからね。 結果、マーケティングの各領域を担える多様なスキルセットを持った有能で高い規律を持って自主的に活動できるメンバーを集め、一つのチームとして構築することができました。現在は弊社からオウンドメディア運用、導入事例記事制作を担当する4名のコアメンバーをアサインさせていただき、従来の組織の枠組みにとらわれることなく施策を進めている状況です。菊池さんが前述された通り、一人一人の可能性・ポテンシャルを引き出すために、最適な形で動けるような環境を私が作ることで、Shirofuneさんに還元できると考えています。 菊池さん:まずは私の活動と近い領域から戸栗さんにはShirofuneのグローバルCMOとしてご尽力いただいているだけでなく、マーケティング人材の配置にまでご対応いただき、頭があがりません……。この型で戸栗さんのような方とパートナーシップを組めたことは本当に奇跡的で、2年間諦めずにアプローチさせて頂いてよかったです(笑) 戸栗:これまでは内製化を目標にマーケティング担当者へのコンサルティングを提供してきましたが、マーケティング組織そのものを外部で一から構築するという、人事的な要素も含んだ新しい取り組みは、苦労も多かったものの非常にやりがいのある挑戦でした。 人材の配置後にまず必要だったのは、とにかく止まっている部分を再稼働させることでした。前パートナー企業との契約終了以降、Shirofuneの基本的なマーケ活動(メール配信、コンテンツ作成・更新など)は動いている箇所と、完全に止まっている箇所が混在しており、特に広告以外のリードジェネレーションは停止しているに等しい状態でした。そこで、過去の支援会社が残した成果物や社内に点在する情報、そしてShirofuneに関わるフリーランスや外部協力者の担当範囲の整理から始めました。 また、3つの顧客のペルソナとカスタマージャーニーの再設計をしました。菊池さんは今後LTVを重視した広告運用を広げていきたい思いがありましたので、「LTV運用に興味を持つ顧客層はどういった人たちはどんな人たちだっけ?」というのを明確に言語化する必要がありました。 当社では、いずれのご支援先においても、プロジェクト開始時に必ずペルソナおよびカスタマージャーニーの確認を行っております。菊池さんとお客様の商談録画を確認し、業界情報などをインプットし、Shirofuneのお客様はどういったことに困っているのか、何を解決したいのか、自分自身で情報を集めるのです。これは、お客様の課題を正確に把握・共有し、一貫性のあるサービス提供を実現するための共通言語および共通認識を構築する重要なプロセスと考えているためです。 ペルソナ設計においては、顧客像の「解像度」を可能な限り高めることが重要です。一般的に見受けられる失敗として、抽象的で汎用的なペルソナを設定してしまうケースがあります。コンテンツマーケティングにおける失敗要因として挙げられる「まとまりがない」「一貫性がない」「ターゲットオーディエンスが不明」といった課題は、社内で解像度の高いペルソナを設計し、そのペルソナのニーズやカスタマージャーニーに沿ったコンテンツを一貫性をもって提供することで回避が可能です。 特にShirofuneはマーケティングの担当者が不在の中で、施策に関わる外部の方にはShirofuneの顧客像をしっかりと理解していただくことが重要です。そういった意味でも、Shirofuneのペルソナをしっかり定義することは非常に重要な作業であったと感じています。 (実際に作成されたペルソナ) Shirofuneのプロダクトは国内で既に一定の認知度を持っていましたが、検索エンジン経由で常時リードを獲得できるコンテンツ基盤が整っていませんでした。Webサイトへの流入は広告からが大部分を占めており、広告予算を使えば短期的にリードを獲得できるが、広告を止めれば問い合わせも止まる。つまり、長期的な成長のためにはSEOやオウンドメディアによる自然流入の確保、広告を使わなくてもリードを獲得できる仕組みづくりは必須になります。 今後はSEOを重視したブログ記事を拡充し、Shirofuneの機能や導入メリット、さらには広告運用における最新トレンドなどを発信していきます。もともとShirofuneは「広告運用の自動化サービス」として優れた技術を持ちつつ、その強みを体系的に解説する記事が少なかったと思います。 (オウンドメディア展開における優先順位をつけたターゲットトピック) オウンドメディアを中心にきちんと流入を作り、その先に事例記事やセミナーなどを組み合わせるという王道かつ鉄板の施策を方針として掲げています。BtoB商材で導入検討が進む中で、事例があるかどうかは問い合わせ数や商談角度に大きく影響します。 現在はオウンドメディア記事、導入事例ともに公開をするタイミングにあり、今後が非常に楽しみです。 (ペルソナが求める情報を届けるShirofuneオウンドメディア「Ad Agency Lab」) (実際に作成されたShirofune英語事例PDF) 菊池さん:本当にありがたいの一言です。私は海外出張も多くリアルタイムでのキャッチアップが難しいのですが、気づくと施策が勝手にどんどん進行していくんです。戸栗さんが配置してくださったマーケターの皆様も指示待ちじゃなくて、自分で考えて「これやるべき」と判断したらどんどんやってくれる。僕らはそれを止める理由がないので、どうぞお願いしますと。うちはそもそも担当とか部門の概念もないし、みんなが自分の役割を自分で作ってくれればいいと思っています。 戸栗:通常、コンサルティングの場合、どうしてもクライアントが絶対的な立場になります。そのため、新しい提案を行っても社内の承認に時間がかかったり、提案したことを実行してもらえないケースも多いです。これは意外かもしれませんが、実はよくあることです。…

ピーシーフェーズ株式会社 支援事例フェーズ4:数字が立ち直り激増期間へ
ピーシーフェーズ株式会社 支援事例フェーズ4:数字が立ち直り激増期間へ

記事概要:想定外のことが起こり伴走支援期間中に数字が激減することを経験。原因がわかり時間と共に解決をした後は、数字が激増し始める期間へ入ることとなる。 トラフィックの伸びは毎月10-15%ほど安定的に上昇。リード獲得数も順調に伸び月100件近くまでに成長。ファネルを下に降るために松木さんの業務を社内異動してきた新担当者の方に移譲していく期間に入ることとなる。 トラフィック数 650 %増加 オーガニックリード数 10 倍増加 (オーガニックを中心としたトラフィックの伸び) 戸栗:ここまでありがとうございました。ペルソナ、カスタマージャーニー、データ定義を決め、コンテンツ制作の内製体制を構築。「ここから!」というときに原因不明だった数字激減期間に入ってしまいました。なかなかの茨の道でしたが、ついに数字が上がり始めるタイミングになりました。 トラフィックを激減させていたコンテンツが過去、外注先に丸投げをしていたコンテンツであったことが明確にわかります。実際に、我々が新しく作っていってる質の高いコンテンツっていうのは、トラフィックとリードも生み出していることが明確にわかりました。 このタイミングで、今回の伴走支援の目的の一つである、リードや問い合わせ創出を行うためにファネルの下のほうに下りてくるっていうフェーズに差し掛かってきました。 リード情報獲得の起点となるダウンロードコンテンツを継続的に制作するために、松木さんが業務時間の高い割合を費やしているブログ構成案作り、入稿作業などのオウンドメディア関連の作業的を誰かに委譲する、というフェーズになってきました。 このタイミングで、松木さん、あと、特に中村さんにご相談させていただいて、社内異動で松木さんのサポートをしてくれる方を探してほしい、という流れになりました。 社内異動の視点でいうと、松木さんは、そのタイミングで社内でどういう話を聞いて、誰を引っ張ってくるみたいな話っていうのには関わりを持って、この話が進んでいたか。その背景を教えていただけますでしょうか。 (当初の計画全体像) (コンテンツチームのPod化) (shouinのコンテンツチームのPod化方向性) 松木:私の下に1名入れて、そのものに自分が担当していたブログの作業を依頼し、私の視座が1つ上になり、次のフェーズで新しい領域を切り開く、というのは、社内でも共有されていました。 その中で社内から誰を連れてくるか、という議論には自分は入ってました。そのときに、いくつか候補があって。 同じshouin部の中から連れてくるっていうのと、あとは、違う部署から連れてくるっていう2択がありました。shouin部のほうから連れてくるっていうのもできたんですけど、ただ、そこから人を引っ張ると、今度はそっちが大変になってしまういうことがわかっていたのもあり。 でしたら、違う部署から引っ張ってこようっていう話になって、その中で新卒クラスの立ち位置で、営業を経験している人間、かつマーケティングに興味があるっていう条件で調べたときに選ばれたのが、花川さんでした。 戸栗:ありがとうございます。実際に、そのときのタイミングから伴走支援で、部分的に花川さんに入っていただいて、3人で伴走支援を進めることとなりました。 3人になったところで、私が教えさせていただいたり、松木さんがそのフォローを伴走支援時間外でされたり、という感じでした。そのタイミングで、花川さんが入社されてから1年を経過しているタイミングでした。 実は花川さんは営業部にいらっしゃるものの、受託開発の営業部にいらっしゃってshouinに関しては詳しくないというのがあり、経験値からくる難しさをかなり感じていたのではないかな、とは思います。社内としては、花川さんに伴走支援に参加していただき、社内の反応やフィードバックはどのような感じでしたか? 松木:社内で、オウンドメディアから事業に「直結する可能性を持つ」、数字を創出するために記事を作るということが、いかに難しい作業か、という認知が進んだっていうのは良い変化だったかなと思っています。 まず花川がshouinというサービスの強み、顧客に選ばれている理由を理解するところからスタートしなければいけなかったわけですが、そもそもの作業スケジュールの問題から、それらの学習と並行してブログの作業をしてもらっていました。 そのため、バリュープロポジションやペルソナの理解が曖昧なまま作業させてしまっていたので、構成案作成がなかなかうまく進められなかった。もっと余裕を持って顧客理解のための時間を取ってあげられたら……という自分自身への反省が強くありますね。改めて顧客理解の重要性を再認識したエピソードかなと思います。 戸栗:今松木さんがおっしゃってくださったことは、すごくいい率直な意見だなぁ、と思います。 なぜかというと、オウンドメディアとかを作るときとかに、アサインされる方ってインターンが多いんですよ。インターンとか新卒がすごく多くて。特にSaaSとかのスタートアップとかに顕著かな、と感じます。また、そこそこ大きめな企業でも、営業経験もない、顧客理解がない方たちがアサインされるケースが多くて、大体失敗しています。 そういったことを事例を見ている方に伝えられるとすごくいいかなと思うので、先程いただいたの視点はすごくリアルで良いな、と感じます。 また、松木さんの視点から、オウンドメディアのコンテンツを作る上で、こういう要素は決定的に必要である、というようなスキル、経験値っていうのは、どういったものがあると思いましたか。 松木:自分がこの記事構成案とかを作っていくにあたって、必要なスキルは3つあると思っています。 1つ目が社会人的な文章能力のスキル。2つ目は自分たちが提供しているサービスを理解していること。3つ目は自分たちがターゲットにしている顧客や既にご導入いただいている顧客を理解していることです。 自分の場合は、このサービス立ち上げからプロダクトに関わっていたという背景もあり、サービスへの理解はできており、社会人としての経験も4年ほどあり、社外向けの文章を書くこともそれなりにやっていたので、2つはクリアしていました。 あとは、顧客理解を深めていけばいいっていうところの、そのひとつに絞って作業することができました。例えば、インターンで考えてみると、、その3つのスキルの全てが欠けている状態の方がほとんどなのではないかな、と思います。 ですので、最低でもどれかしら1つの要素が必須なレベルに到達していて、残り2つを、もしくは1つをできるようにするとか。習得すべきスキルが絞られた状態からスタートする方が上手くいきやすいのかなとは思います。 戸栗:ありがとうございます、そうですね。どのようなこともそうですが、何個も要素が欠落している状態で新しいことを学ぶのは難しいところです。話は変わりますが、このタイミングで、リードの数が、伴走支援開始前当初と比べると、2-3倍ぐらいに増加をし始めていました。 (オーガニックサブスク数の伸び) 松木:伸びてましたね。 戸栗:数字が3倍ぐらいまで伸び始めていました。ただ一方で、松木さんの稼働時間が教える側に回ってしまったっていうところ、私も教える側に回るという状態になり、結果的に松木さんが新しい領域をスタートできない状態になる、と言う弊社と御社がお互いに首を絞め合うみたいな感じになってしまいました。 結果的に、松木さんがリーダーとしてインサイドセールスチームの管理も兼任し始めたこともあり、松木さんがコンスタントに1人で構成案を作り、ブログ記事を出し数字を上げていた箇所、これらが止まってしまうこととなりました。 ブログで言うと2022年9月から10月上旬くらいまで約1ヶ月くらいほぼ停止していましたね。またダウンロードコンテンツはこの時点で数ヶ月間止まってしまいます。 松木:お恥ずかしながら、タスク量に忙殺されてしまった時期でした。でも幸いトラフィックの伸び自体、すぐに次の月に影響が出たかっていうと、そんなことはありませんでした。公開を再開した翌11月は微増ぐらいになっていました。ただ、後々に絶対影響が出てくるなっていうのは分かった部分かなとは思いますね。 戸栗:これもまたあるあるなのですが、オウンドメディアを作って、トラフィック生んでリードを創出する仕組みつくりたいっていうタイミングで、忙しくなってきたので、という理由でブログを止めてしまうケースがあるんですよね。 今ブログを止めてます、落ち着いたらまた再開します、みたいな感じです。そのような状況を聞くたびに、オウンドメディアを広告出稿のような感覚で捉えているのかなな? と思うことがあります。 そういう捉え方をしているのか実際はわからないのですが、2カ月とか3カ月とか、場合によっては1年間更新していません、という企業さんは普通にいます。 松木さんの実際に数字を伸ばしていった経験から、継続することが大変だけども非常に重要であることは気づいていらっしゃると思います。仮に長期間、例えば3カ月とかオウンドメディアの更新が止まっちゃったどうなると思いますか。 松木:元の勢いを回復させるにはおそらく止めた期間の倍はかかるんじゃないかなとは思っています。1カ月止めてれば、多分戻すまでに、2カ月はかかると思いますし、3カ月止めれば、半年以上かかると思います。 目標設定にもよるとは思うんですけど、そこを目指すときに、止めるっていう選択肢は、恐らく持ってるタスクの量とか、マーケティング担当の方が、マーケティングだけやってる方なのか、自分みたいに開発案件などと兼務している方なのかよって変わってくるとは思います。一度始めたら止めないのが望ましいというふうに思います。 戸栗:そうですね。回復にはすごい時間とエネルギーが必要になることをステークホルダーの方たちは心に留めておいた方が良いと思います。 中村さんはそれを理解されていたわけで、致し方がなくっていう感じでした。本導入事例を見てる方で、止めるという判断をされていた方、自分たちの首を長期間期間絞めることになる、ということは忘れないようにしていただきたいな、と思います。 松木:社内都合で止まってしまったタイミングに、突発的にお客様の開発案件の要件定義を1カ月で詰めなきゃいけない、という致し方ない事態がありました。これは弊社ならではの特殊な事情だと思うのですが。 仮に、自分がキーワードとか構成案をためといて、ライターさんにあらかじめ、忙しくなるタイミングを見越して渡しておくっていうことができたらよかったなとは思っています。…

PCフェーズ株式会社 支援事例フェーズ0:お問い合わせから支援が始まるまで
PCフェーズ株式会社 支援事例フェーズ0:お問い合わせから支援が始まるまで

記事概要:弊社支援前のピーシーフェーズ株式会社は、これまでの事業の柱であった受託事業からSaaS事業を作り出し、成長させるために舵を切り始めていた。新しいプロダクト開発が行われれ新プロダクトのウェブサイトがローンチされた一方で、社内にまとまったマーケティングの知見がなく、どのような施策を効果的に進めていくべきか模索していたのだ。また、中期的に社内人材をマーケティング担当として育成し、そのさきに問い合わせの増加やリード数増加を可能な限り内製化させ、メンバーに自走させる必要があると考えていた。 問い合わせ数/ 5つ リード数/月 15-20件 施策数 2-3件 戸栗:まず簡単に自己紹介の方をお願いいたします。 中村:shouin事業本部の中村と言います。LEAPTさんに支援依頼し始めた当時は、マーケティング部長と営業部長を兼任したような形でして、現在は事業部長となっており、マーケティングと営業に加えて、カスタマーサクセスやサービス開発を主導するプロダクトチームを追加した状態です。 戸栗:弊社と最初の接触があったのが、2020年の6月で、結果的に伴走支援開始の2021年の2月ぐらいからスタートまで8カ月ぐらいマーケティングをしていきたい、みたいなお問い合わせとご相談を頂いておりました。そのときに、どういった背景で弊社にお問い合わせをいただいたのかっていうところと、どういった理由でっていうところと。どうやって弊社のことを知ったのかみたいなところを、簡単にお話伺えますでしょうか。 中村:だいぶ前なんで、うろ覚えのところがありますが(笑)。その当時、SaaS事業を立ち上げて、マーケティングを自分が浅く広くやってたんですけど。今後根付かせるためには、誰か1人専任をアサインしたいなっていうのがありました。ただ、その人間を育て上げることって、ちょっと自分ではできないなということがありまして。 戸栗さんがTwitterで、マーケティング周りの深い話をずっとされてたんですけど、めちゃくちゃこの人知識深いなと思ったのと、あと、ALL STAR SAAS FUND(以下、オールスター。戸栗がアドバイザーとして参画しているSaaSに特化したベンチャーキャピタル)でもお話を聞いたりしていました。 オールスターがSaaSを知ったきっかけで、マネージングパートナーの前田さんの記事などを読ませて頂いていたのです。そこに戸栗さんの名前もあったのでさらに信用度が増して、お問い合わせをさせて頂きました。 あわせて、他のマーケティング支援企業さんも見てたんですけど、伴走支援っていう形があまりなくて。一般的な支援会社さんは、リスティング、運用手伝いますよとか、Facebook広告手伝いますよという感じで、マーケティング担当を育てるっていう概念があまりありませんでした。 戸栗:そうですね。例えば、広告だったりとか、あとは、MAの運用支援とかはあると思うんですけども……。あったとしても、ほとんどがその局所的な箇所、MAの運用の伴走支援、広告の運用の伴走支援みたいな感じで、サイロ化された業務の一つしかカバーしてないっていうケースがすごく多いです。 そういった意味でいうと、弊社を選んだ理由っていうのは、幅広で、基本的にはなんでもいけそうだみたいな、そんなところがあったから選ばれたみたいな感じですか。 中村:幅広というよりかは、マーケティングって本質を理解してる人が教えたほうが絶対にいいなと思っていて。広くっていうと、ちょっと語弊があるかなと思うんですけど、本当にマーケティング職人を育てたかった、というのが戸栗さんに問い合わせしたきっかけです。 そもそも、マーケティングって何ぞやって話したら、そこら辺の土台がないと、理解度が増さないですし、自分もインターネットの代理店にずっといたので、そのあたりを浅く広くになっちゃうのはよくないなと思ったのが理由ですかね。 戸栗:ありがとうございます。実際にお問合せのあとも何回か中村さんのご相談を伺っている際に、担当者を育てながら数字を上げていく伴走支援をされたい、と。その中で、どういうふうに、私とやりとりをする担当の方を選んでいったのでしょうか。 多くの企業さんもアサインする人をどうすれば良いのかな、と悩んでいらっしゃることが多いです。中村さんのご経験をぜひ共有いただきたいのですが、当時どういった選択肢があって、どういうふうに選んでいったかを少し伺ってもよろしいでしょうか。 中村:戸栗さんからどういう人がいいかっていうのを事前に聞いてたので、それと照らし合わせて、その中で最善な人は誰かっていうのを考えていました。まずは、「社会人経験がない人間は厳しそうだ」っていう話もあったので、戸栗さん覚えてるか分からないんですけど、図解をしていただいたんですよね。 (マーケティング人材の出現度合いとスキルの図) 戸栗:これでしょうか?展示会運用やセミナーを担当するマーケターは総数が多くて……、こちらの領域は……みたいな。 中村:そう、これです。これをいただきながら、特定というところで、どういう人がいいかっていうのを話して。後ほど話が出てきた担当者となる松木は、そういったディレクションだけではなく、ツールの設定運用とかもできますし、マーケティングの基礎概念的なことも分かっていたので、そういったところで選んだ感じです。 戸栗:松木さんをアサインする前に、新卒の方とかを採用するみたいな感じで、少し動いていらっしゃいました。実際に、候補者の名前などは伏せた上で職務経歴を一緒に見ながら考えさせて頂いたこともありました。 それが、そっちの選択肢をやめて、松木さんに動いた理由、社内異動の方向に動いた理由、外部から採らないって決めた理由っていうのは、どういったところがありましたか。 中村:そこは、提供している自社サービスであるshouin+に関する知識度が、解像度が全然変わってきちゃうので、学習コストがかかっちゃうかなっていうとこが一つあったかなと思っているのと、本人も「ちょっとマーケティングやってみたいです」って話もあったので、その辺をインタビューさせてもらって、アサインしたっていうのもあったかなと思っています。 戸栗:他企業さんでも、異動させてくるケースっていうのは実は多くあります。ただ、異動させるケースでも、いい意味での異動じゃないケースが大半な気がしています。 それは、例えば、特定の領域とかであんまりワークしてないから、マーケティング側に流すとか、どうしても人が必要だから、あの人だったら放出していいよみたいなニュアンスがありながら……。そういうアサインされるっていうケースがあると思うんですけども。 私の感覚からすると、松木さんは全くそういう感じではなかったと理解しています。むしろ、他の部署で活躍していたと理解してます。 中村:そうですね。 戸栗:その方を他部署から異動させるのは、結構難易度が高いことかな、とは感じます。そこを異動させるために、社内でどういう手はずを踏んで、どういう説得の仕方をしたとか、ポイントみたいなものを伺えますでしょうか。 中村:松木は元々プロダクト部にいて、ディレクター、PMとして活躍しており、立ち上げ当初だったので人もいないですし、異動に対して、じゃあいいですよ、とはなりませんでした。 そのため、可能な限りロジカルに説明を進めました。当時、shouin+を立ち上げるにあたって刈り取り、焼畑的な方法がほとんどで..…。 広告から強引に獲得だけではなく、質のいい見込み客を顧客化してLTVを高めながらよりshouin+を使ってくれる、5年も10年も使ってくれる人たちに対してアプローチしていかなければならないとなったときに、マーケティングに対する重要度って全然変わっていきます、と。 それが1年後、まだ分からないかもしれないですけど、2年後、3年後っていうところで、だいぶそれが、今回やるコンテンツマーケティングもそうなんですけど、漠然とではなく具体的な絵を描く。 戸栗さんに教えて頂いたので、10万PVだと、このぐらいのお客様を連れてきて、なおかつお客様が関心度が高い人たちを連れてくるってことは、受注効率も上がって、結果売上げも上がるっていうロジックをシンプルに関係者に伝えたのが説得材料として一番よかったですね。説得する相手は、社長とプロダクト部の部長という形でしたね。 戸栗:ありがとうございます。御社のビジネスは開発が柱ですよね。そういう意味でいうと、開発のほうにいた松木さんを引き抜くっていうのは、要はスターになってる部のほうから、優秀な人を引っ張るっていうことだと思うので、結構大変だなってイメージはあったんですけども。 その説明のポイントとしては、中長期的に伸ばす必要があるから、投資にはなるんだけども、重要だよねっていうところを、ロジカルに説明してったみたいなイメージですね。 中村:そうですね。もちろん、スパっとすぐに、マーケティング1本だよっていうこともちょっと難しかったので、徐々にパーセンテージをずらして、マーケティングのほうに異動させてくような形の異動方法で合意を取り付けました。 戸栗:ありがとうございます。 あと、弊社との伴走支援が始まる前のタイミングより前に、松木さんが、マーケティング系の業務をやり始めていたと伺っています。 確かFacebook広告か何かを触り始めていたということを記憶しているのですが、その時の運用は松木さんがマーケティング業務に慣れるということで、最も手がつけやすいところの一つである広告運用をしていたのかな、と。実際に運用はどのような感じだったのでしょうか。 中村:運用はしていたのですが、Facebook広告も運用が結構難しく。 うまく回ってないとなぁ、という話になり基本に立ち戻り、そもそもお客様への訴求って何だっけ?という話のときに、ペルソナやカスタマージャーニーをちゃんと組み立ててないよね、と基本に戻らなくてはいけないタイミングでした。そのような状況で、戸栗さんに入ってもらったという流れでした。 戸栗:当時のマーケティングの施策っていうのは、ウェブサイトはとりあえずできました。資料請求の資料はダウンロード可能です。広告は回ってます。更新されていないけどもオウンドメディアがあります。それ以外は特に、HubSpotは導入されていたものの、メールマーケティングというよりかはメールをランダムに送る、みたいな感じだったと思います。 伴走支援開始前、それらの施策をおこなっていたときにペルソナとかカスタマージャーニーはどのようなものだったのでしょうか。 中村:HubSpotを導入したので、HubSpotの導入支援担当の方にオンボーディングしてもらった際に作成した、ペルソナとカスタマージャーニーをそのまま使っていました。ペルソナの活用で難しいのは、みんな意識を継続的に統一させるところだな、と思っており、社内的への浸透はさらに難しかったなっていうのは覚えてますね。 戸栗:浸透させるために何か具体的に、こういうことやってたみたいなことってありますか。 中村:そんなにないです。いや、1回作ったら、そのままになってましたね(苦笑)。 戸栗:他企業さんで、ペルソナ、カスタマージャーニーをうまく浸透させたところの取り組みは、インサイドや営業の人たちも集めて勉強会をマーケティング部と合同でしていました。そのような場を作ると、同じ共通認識、あと、同じ言語で会話できるようになりやすい様子でした。そのようなことはできていなかったということなのですね。 中村:そうですね。そういうの共有勉強会を1回おこなったのですが、自分もすぐ違うところに目が移っちゃったので(苦笑)。では、次の改善箇所は営業だ、みたいな感じで。自分の中では完結したのですが、メンバーはそれに追いついてない、というような..…。それがよくなかったなとは思っていますね。…